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中国5県で国税局と交渉 

10月11日、毎年行っている広島国税局へ中国地方5県連合同で申し入れを行いました。コロナ禍の状況下、県境を越えての移動自粛もあり今回は広島県連のみの参加となりました。広島県連からは権田・四郎田県連副会長をはじめ7名が参加。国税局からは平田総務課長補佐ら3名が対応しました。
今年度は税務調査をはじめ接触事案も少なく具体的な事例を携えての交渉とはなりませんでしたが、今年10月から受付を開始した「インボイス制度」の導入についてを中心に意見交換を行いました。
まず、事前に渡していた「申し入れ書」に対する国税局からの回答を聞いたのち質疑に入りました。応対した平田課長補佐は、国税庁(税務署)は執行官庁であるため法の是非や導入時期について意見・コメントする立場にはないとしながらも、伺った内容については確実に上級官庁へ伝えることを約束。その上で、緊急事態宣言やまん延防止措置のない地域について「インボイス制度についての説明会を各税務署において行っている」、「国税庁HPでは全国どこからでも誰でも参加可能なインボイス制度に関する説明会をオンラインで行っている。また動画も掲載しているためぜひ案内してほしい」と回答しました。

また、納税については、コロナ禍で困難を抱える事業者に配慮し納付相談を行っていること、納税者が抱える状況や心情をくみ取り、迅速かつ簡便に納税緩和を取り扱っていると回答。具体的には

①資料提供については聞き取りによる申し立ても可とし、②担保提供が明らかである場合を除き担保を不要としていること、③猶予期限は原則1年間としているが、納税者の資力に応じて柔軟に取り扱っていると回答しました。

その他税務調査の実施や徴収の呼び出し、当局による干渉の問題、憲法遵守などについては従来の枠にとどまる回答となりました。
質疑の中では「インボイスの説明会を行っているというが納税者全体に伝わる規模と考えているのか?」「制度導入には必ずメリットが存在するはず。インボイスを導入することで納税者にはどのようなメリットが考えられるか?」「インボイス導入によって小規模事業者は廃業に追い込まれる。逆に元請業者は事務負担が大きく増大する。税の基本は公平・中立・簡素であるべきではないのか?」など追及。
さらには「ただでさえ苦しい人が納税猶予を申請している。引き続き延滞税は免除するようすべき」と迫り、質疑を交え約1時間にわたる交渉となりました。
最後に平田課長補佐は「私の権限ですぐにできることは少ないが、納税者の理解と協力を得ることが税務行政の基本。心情的には皆さんからのご意見の趣旨はよくわかる部分もある。今日の内容は責任をもって上級官庁へは伝えます」と引き取りました。
最後に四郎田副会長から「コロナ禍で苦しむ納税者に寄り添った税務行政となるよう求めます」とあいさつし交渉を終えました。今後も引き続き交渉を進めていきます。

インボイス制度とは
2023(令和5)年10月からスタートする制度。
税務署へ登録の届を提出し、付番された登録番号が記載されたインボイスが消費税の仕入税額控除の要件となり、インボイスが発行できない事業者との取引では税額控除が認められなくなります。
フリーランスや個人事業主などの免税業者は、課税業者となって新たな消費税負担を強いられるか、インボイスを発行できずに取引から排除されるか、厳しい選択が迫られることになります。


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