広島県内民商の県組織である「広島県商工団体連合会」では、毎年県内に本店を構える11の金融機関と懇談し、融資対応・税務調査対応についての要望を伝えました。交渉を行った金融機関・要望内容は左記の通りです。
【融資対応についての回答】
①の迅速な資金供給についてはどの金融機関も「対応している」と回答。ただ、預貸率が低い金融機関もあり、「もう少し高い数字になってほしい」と要望しました。②の無利子・無担保融資については、どの金融機関もギリギリまで対応し、保証協会とも連携をとっているとの回答です。
③伴走型など新たな保証制度については、使える制度は徹底的に使って行きたい気持ちもあり対応しているが、使いにくい部分もあり、まだあまり実績がない金融機関がほとんでした。
④どの金融機関もコロナで影響を受けた事業者に寄り添い、条件変更などは柔軟に対応していると回答。
⑤融資の審査については、事業の継続を最優先に考え、決算の数字にこだわらず数字に表れない事業所の良さなど見ることにしていると回答。
⑥被災者への対応については現在対象の事業者があまりいないという金融機関が複数。ただ、以前の豪雨災害では専門部門をつくったり、弁護士などと連携して対応しているという金融機関がほとんどでした。
⑦事業性のカードローンについてはどの金融機関も過度な誘導や紹介は行っていないと回答。あくまでニーズによって対応するというスタンスです。
【税務調査対応についての回答】
コロナ禍でここ最近は調査そのものがないという金融機関もあり、反面調査が少なかったことが明らかになりました。任意調査の反面調査については、要望通りにしていると回答。あらためて預金者への連絡、関係のない書類の閲覧拒否を徹底するよう要望しました。
広島県連で毎年金融機関と懇談を行ってきた結果、多少の温度差はありますが、どの金融機関もこちらの要望を理解ししっかり取り組んでいるという印象です。
税務調査については交渉を始めた頃は「税務署に求められたら資料を見せるのが当然」という回答をした金融機関もありましたが、交渉したことによりその判断が誤っていたと認識。現在ではこちらの要望通りに対応していると回答していますので、こうした交渉を続けることは大切です。
金融機関ごとの詳しい回答や、回答が実際の対応と違うなどがあれば民商事務局までお知らせください。広島県連ではこれから中国銀行・広島県保証協会との交渉も予定しており、日程調整中です。要望や聞いてみたい事がありましたら事務局までご連絡ください。
要望した内容
【融資相談等についての要望】
①コロナ禍で苦しむ事業者に資金供給を迅速に行ってください。②セーフティネット保証を活用した実質無利子・無担保融資を積極的に活用してください。特に資金供給(融資)は金額もさることながらスピードは命です。セーフティネット保証の趣旨に鑑み、広島県信用保証協会とも連携し、最大限の努力をお願いします。
③新たに伴走支援型特別保証制度や経営改善サポート保証制度が創設されていますが、私たち小規模事業者においても、幅広く対応していただくこと。また、こうした制度の活用を広げるため、必要な情報は県連または各民主商工会へお知らせいただくようお願いします。
④コロナ貸付の金融支援を受けた中小業者は、長期化するコロナ禍の影響により、既存融資の返済期間や据え置き期間の延長、追加融資といった資金ニーズが必要となっています。こうした現状をくみ取り、最大限の支援を行ってください。
⑤厳しい経済環境の下、財務内容(赤字)や過去の実績(一時的な遅滞や条件変更)、担保・人的保証にとらわれず、中小業者の実情をきめ細かくお聞きいただき、ニーズにあった資金供給を迅速に行ってください。
⑥豪雨などの自然災害の被災事業者への迅速な資金繰り支援を行ってください。
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」については、債務整理に要する個人事業主の相談に親身に対応し、事業再建へ支援をしてください。
⑦低利の公的融資制度など、中小業者に有利な融資制度を積極的に紹介・活用していただき、事業者の負担になる、事業性フリーローンやカードローンへの誘導は行わないでください。特にキャンペーン等の理由での過度のお願いは行わないでください。
【税務調査等への対応についての要望】
①税務署の調査に係る金融機関への反面調査(任意調査)等の際には、納税者である預金者本人に必ず連絡してください。②預金者の財産と秘密を守り、納税者の権利を守る立場を堅持してください。また、預金者本人の意向を尊重し、預金者の承諾のない「調査依頼」には応じないようにしてください。
懇談を行った金融機関
広島銀行
もみじ銀行
広島信用金庫
広島県信用組合
広島市信用組合
信用組合広島商銀
呉信用金庫
しまなみ信用金庫
備後信用組合
両備信用組合
広島みどり信用金庫