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インボイス反対の世論を共に創ろう!

8月30日(火)、広島法律事務所(顧問事務所)で『インボイス制度』及び『電子帳簿保存法』の学習会を開催。法律事務所から弁護士6名に加え事務員5名と広島民商から石立事務局長、岡本事務局員の合計13名で行いました。
現在、広島県連で行っているアンケートでも『インボイス制度』は半数がわからないと回答しています。しかし、取引先や親会社などから、番号取得についてのお尋ね文書が来るなど徐々に関心が高まりつつあります。

今回の学習会の目的は、法律事務所そのものの実務と同時に、制度の問題点や矛盾点、実務の煩雑さなどを弁護士にもしっかり理解してもらい、反対の世論を共に創ろうと企画したものです。
まずはインボイス制度の概要を石立事務局長が説明。インボイス(適格請求書)とは、『売手が、買手に対し正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段』との理由付けで導入されようとしており、一定の事項が記載された請求書や納品書その他これらに類する書類であること。軽減税率制度の導入に伴い複数税率制度の下で、売り手と買い手双方で適用税率の認識を一致させるために、売手側に必要な情報を記載した請求書等(インボイス)の発行を義務付けるとともに、当該請求書等(インボイス)の保存を仕入税額控除の適用要件としています。

仕入税税額控除の要件であるインボイス制度を知る前提条件として、まずは消費税の仕組みを知ることが重要です。消費税特有の基準期間と課税期期間とは、本則課税と簡易課税、課税事業者と免税事業者は?、納税義務者は事業者であり、消費税は物価の一部であるため転嫁できない零細事業者は益税どころか損税となっていることなどを学習していきます。

インボイスの届出期限は来年(令和5年)3月が原則であり、10月以降は免税事業者との取引では仕入税額控除の金額が変わっていくこと、簡易インボイスを発行できる業種などを学習しました。
弁護士の皆さんは簡易課税のため、自分自身にはそこまでの負担はないとわかりちょっと一安心。
「顧問料をもらっているところにはどうすればいいか?」「労働組合との取引にはインボイスが必要か?」等の質問や「飲食店の方の帳簿は、売上も仕入も標準税率と軽減税率に分かれており、これから免税業者との取引でさらに細分化されると大変!」「個人タクシーはインボイス登録をしないと駅構内に入れなくなると聞いたが本当か?」など大変な事態になることが実感されていきます。
電子帳簿保存法についても議論
また、電子帳簿保存法についても若干議論。令和6年から電子帳簿保存の義務化が実施されようとしています。

電子化の流れは仕方ありませんが、いまだIT弱者が多いことも事実。すべての事業者に法律で義務付けたり、ましてや罰を与えるものであってはいけません。電帳法規則では「操作説明書を備え付け、画面に整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力が出来るようにしておくこと」と規定され、税務職員の求めに応じることとされています。
今年(令和4年)1月開始予定だった電帳法は2年間宥恕(ゆうじょ:寛大な心で罪を許すことだそうです)措置が取られましたが、納税者の利便性向上、効率化を名目に税務署の権限強化が図られています。今回のテーマではありませんでしたが、その他「証拠書類のない簿外経費の損金不算入」や加算税(重加算税や無申告加算税など)の大幅な引き上げが次々と決まっていることを意見交換しました。

民商の長い歴史の中で税金裁判となった事案も多くありますが、すべての事案でことごとく退けられています。一旦税務署による処分が決定したことを覆すことは容易なことではありません。事務局長からは、「私たち納税者がしっかり準備することはもちろんですが、同時にインボイスや電帳法など、私たちの営業と暮らしの妨げになるものを実施させないよう力を合わせましょう」と呼びかけ学習会を終えました。


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