5月22日、広島民商学習会第2弾として、広島県金融広報委員会(金融広報アドバイザー)の倉橋孝博さんを講師にお迎えし、『NISA(ニーサ)&iDeCo(イデコ)のキホン』資産運用講座を開催しました。
人生100年時代、将来を見据えた資産運用をし老後に備えたい!と、オンライン参加も含めて24名が参加しました。
今回は初心者向けに、口座開設から運用方法、気を付けるべき点をわかりやすく教えていただきました。
通常、投資の運用益には20%の税金がかかりますが、NISAやiDeCoはこの運用益が非課税となるのでこれが大きな利点。運用は決まった金融商品から選択する事になるので、通常の投資よりも選択肢は少なくなります。
リスクも伴いますが「ゆとりのセカンドライフを送るためには年金以外に4千万円必要と言われています。銀行の利息がつかない今、インフレ対策としても一つの手段として活用できる」と話を進められました。
新NISAについて
今年から、成長投資枠(株式・投資信託・ETF・REITから選べる)が年間240万円、積み立て投資枠(長期・積立・分散投資に適した投資信託から選ぶ)が年間120万円まで投資できるようになりました。非課税の保有限度額は両方合わせて1800万円(成長投資枠は1200万円まで)と枠が広がり、非課税保有期間も無期限となり、長期での運用が可能になり、より利益を期待しやすい形になりました。
NISAを始めるには、NISA口座を開設する事になり、これは国民一人1口座と決まっていて、証券会社・銀行など金融機関で開設できます。ただ、扱っている投資の内容はその金融機関で異なるため、どこにいっても同じものが選べるわけではありません。(例えば野村証券は自分のとこがやっている投資信託が中心なので、大和証券のものを選ぼうとしてもなかったりする)
また、投資信託の内容を選ぶときは、手数料や信託報酬も考慮する必要があります。購入時に支払う販売手数料、保有している間に日々かかる信託報酬、換金時に発生する信託財産留保額(売却代金から自動的に引かれる)があります。同じ100万円でも、信託報酬が異なると受け取れる額が変わるという実例も示しながら解説。
参加した皆さんは、「へー!信託報酬等も選ぶときにチェックする必要があるんだね」とポイントをメモしていました。
口座開設の際は、その金融機関が扱っている投資商品の種類や信託報酬などをしっかり調べて決めましょう。
iDeCoについて
iDeCo(個人型確定拠出年金)の最大のメリットは、拠出金(投資に回した金額)が全額社会保険料控除となり、節税効果が期待できます。運用して出た利益にも課税されません。
ただ、原則途中脱退はできない(受給開始も原則60歳以降)ため、それまでにお金が必要になっても、おろしたくてもおろせない資産となります。また、払出時には退職所得または公的年金(受取り方の選択による)として課税されます。
運用は長期で!
NISAやiDeCoも資産を投資し運用するという点では同じです。投資は運用して1、2年で儲かるというわけではなく、株価の変動で一時的に損をする事もあります。上がったり下がったりしながら、長い目でこれまでの統計を見ると少し利益が増えているということです。そのため、利益を期待するには長期運用が前提となります。高齢の方がこれから始めると、長く待てないためリスクが高くなります。
学習会終了後も講師の倉橋さんへ質問をしに行く方の姿もあり、皆さん熱心に参加されていました。