5月2日、市内4民商合同で広島市の財政局収納対策部、健康福祉局保険年金課と懇談を行いました。当日は広島民商の四郎田副会長を先頭に各民商から16名に加え広島法律事務所の井上明彦弁護士が参加。広島市側からは徴収企画課の今井課長、特別滞納整理課の山本課長ら7名が出席をしました。
2004年に広島市が特別滞納整理班をスタートさせた当初、強権的な徴収で納税者とのトラブルが多発しました。広島民商では長年にわたり滞納問題について粘り強く交渉と懇談を重ねています。
最近広島民商に寄せられた相談には「滞納相談に行って厳しい実情を話しても、滞納金額を12ヶ月で払えという機械的な対応しかしてもらえない」「やむなく自己破産をする事になった旨を職員に伝えても『(自己破産をしたら借入金の返済などがストップするので)破産になれば資金余裕は出る。滞納分として支払える額が楽になるのでは』と言われた」など、とても市民に寄り添った滞納相談ができているとは思えない事例があります。
広島市はこれまで民商が行ってきた要請に対して「滞納相談にあたっては、生活の実態をお伺いするなど、個々の実情を十分に調査し、その上で適切に対応することとしています」と回答してきましたが、これとはかけ離れた実態です。
こうした事例をなくすためにも、今回も広島市へは事前に要請書を送り、滞納事案の事実関係を共有した上で懇談を行いました。
広島市は私たちのいくつかの要請に対し「滞納相談に臨む対応方針に変わりはなく、生活の困窮など真にやむを得ない状況にある場合においては1年以内、担保の提供があれば2年以内での分割納付を認めており、また滞納処分により生活を著しく窮迫させるおそれがあると認められるときなどには滞納処分の執行を停止することとしている」との回答に終始しました。
また「払えないと思ったら早めの相談を」「払えなくなるくらい滞納する前に窓口に来て欲しい」との回答には要請団から「区役所で滞納相談ができなくなり、市役所まで行く必要があるのは遠くに住む住民にとっては気軽に相談ができる場所ではない」「相談に行ってもどうやって払っていくかの話しかしてくれず、滞納者の状況を丁寧に聞いてくれているとは感じられない」「滞納者の実情を把握して換価の猶予など使える制度を提案してくれる事はあるのか?そういった制度を知らない納税者が悪いのか?」などの意見が相次ぎました。
広島市の徴収課と特別滞納整理課(市税等の滞納金額が60万円以上・国保の滞納金額が50万以上を扱う)では職員1名に対して平均385件の滞納対応をしています。
限られた人員の中でやりくりをしている事はある程度理解できますが「人員が足りないから市民の実情を丁寧に聞くことができない」事はあってはならない事です。
引き続き市民の声を届けつつ懇談を続けていきたいと思います。