「ナンバーワン戦略 チーム運営と企業経営の共通点」
広島ドラゴンフライス 浦 伸嘉社長
広島民商の今年度学習会特別企画として9月4日、広島ドラゴンフライズの浦伸嘉社長を講師に招き、チーム運営型企業経営論について講演頂き、会場に29名(オンラインに5名)が参加しました。
ドラゴンフライズは創部10年となる今年、下馬評を覆す快進撃を見せ、5月に奇跡のリーグ初優勝を果たしました。ナンバーワンに輝くためのチーム運営・経営戦略は、企業経営の参考になるものばかりでした。
◆成果を出す確率を上げる
バスケットボールという競技は、確率のチーム競技と言われており、シュートの成功率45%の人と48%の人がいたとすれば、1%以上でも確率が高い人を選択していくことで得点力が上がります。また、1、2秒の差でも逆転する可能性があり、1秒で勝敗が決まる世界。これは会社でも同じで時間を追求することが確立を上げることに繋がる。ドラゴンフライズでは常に成果を出すために確率と時間を最上位概念として考えているそうです。
また、組織として結果を出していくためには、次の5つの要素が重要であると挙げられました。
①明確な共通目標
まず平均観客数4000人を目標を設定。目標が明確だと、そのために何をすればいいかも明確になっていく。何かトラブルやクレームがあった時も「その対応で目標達成できるのか?」という基準で素早く判断することができます。
②共同の意志
共にみんなで成果を出そう! 一緒に働こうと思う意志を持てるかどうかが大事。自分の意志だけでなく、チームの要請を受け入れないと組織として力を発揮できないし、ルール遵守の意志も重要。共通の目標達成のためには、共同の意志を持たなければ、お互いの力を発揮できません。
③コミュニケーション
いかに正しい情報が集めることができるかというのが組織化の本当に重要なポイント。その方法がコミュニケーション。特にミスやトラブルなどネガティブな情報をいかに報告しやくするかが重要。ミスの報告で改善点が見えたり、トラブルが大きくなるのを防ぐこともできます。
④結果を導くリーダー
圧倒的な統率能力があるリーダーの存在は欠かせません。優秀なコーチやリーダーは持っている力を見抜くことができ、それぞれにオーバーポテンシャルズ(120%のポテンシャル)をかけた上で、競争させてチーム全体の能力を最大限引き上げていく。そうすることで、目標達成や課題解決へと繋がっていきます。
⑤効率的・合理的なルール
日本がこれだけ治安がいいのは、法律と条例がものすごくレベルが高いから。企業も同じで組織の中でいいルールがあると非常に成果が出やすいと思います。
◆ナンバーワンを目指す
広島ドラゴンフライズでは、こうした5つの要素を意識しながら、常に1番に「ナンバーワン戦略」を掲げています。NO1に徹底的にこだわり、大きな枠組みでのNO1はもちろんのこと、小さな枠組みでもNO1を目指すことで、注目を得ることができ、影響力を出すことができます。
マスコットキャラクター「モヒカンアビィ」はマスコット総選挙で去年は9位。全体1位を目指しながらも、どうすればNO1を獲れるかを考え、鳥のキャラクターマスコットの中で、鳥類ナンバーワンを目標に見事達成。小さな枠組みのNO1でもメディアに取り上げられ、ファミリーマートとの共同企画に発展したりと影響力を広げることができました。
何かしらNO1を取れるところで取っていくと、影響力を出せるということです。
また、企業経営では「管理・財務・経理」がディフェンス面。労力をかけすぎたり、人を入れすぎたり、大事なところを外注し過ぎたりしていると、結局そのディフェンスがおろそかになり、いい攻めができない。コストや労力をかけずにやれている企業が結果を出していると話されました。
Bリーグは来季からアリーナの収容人数5千人以上での開催となるため、ドラゴンフライズは5年契約でグリーンアリーナを使うことになっています。今、新しいアリーナ建設に向けても懸命に取り組んでいます。
5月にドラゴンフライズが優勝し、カープもサンフレッチェも優勝争いをしています。3競技で優勝し、トリプルクラウン(三冠)ということなれば、広島をスポーツ王国として日本の歴史に永遠に刻める最大のチャンスです。相乗効果で広島の経済効果も大きく見込めるのではないでしょうか。
広島民商でも次期リーグ戦では大応援ツアーを計画中。ぜひ皆さんもご参加ください