今年に入ってから税務調査が多数出ていますが、その中で無予告調査が2件(いずれも飲食店)出ています。
いきなり自宅・店舗等に税務署員が来所した時には、「任意調査なら本日の対応は難しい」と毅然と断ると同時に役員・事務局までご連絡ください。
国税通則法第74条の9の規定では、税務調査を行う場合は原則事前通知をしなければならないこととされています。
例外で無予告調査が認められる場合として「税務署長等が納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等、若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれ、その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、通知を要しない」とあります。
しかし、今回2件が無予告調査になった理由を聞くと、何らかの情報があった訳ではなく、『現金商売』というだけで無予告での調査になりました。これは、税務署が「現金商売の事業者は売上金の仮装・隠ぺい行為を行っている」と決めつけていると言え、非常に問題です。
また、突然来てレジを見せろをしつこく迫られた店では、調査前日に支払われた一万円札に印がついていたものがあり、違法な「おとり調査」ではなかったのかと抗議もしています。
さらに、義務ではないのに、「会計ソフトのデータを提出しないといけない」など納税者が強制だと誤解をしてしまう言い方をする署員もあり、強権的な態度が目立ってきています。
税務運営方針には納税者の理解と協力を得てすすめると明記されています。任意調査にも関わらず、無予告で急に現金監査を求めるなど、あたかも強制調査かのように迫ってくるようでは理解も協力もできかねるというものです。
ここ最近、納税者の権利や税務運営方針を無視し、勉強不足で税務調査を行う署員が見受けられます。このままでは業者全体の不利益となりますので、民商としても問題点をまとめて抗議・交渉を行っていきます。
先週皆さんにお届けした民商カレンダーの8月に『税務調査10の心得』が載っています。しっかり読んで急な調査で困らないように納税者の権利をしっかり頭に入れておきましょう!